条例づくりの授業をふりかえって

 

昨年の話になりますが、「条例づくり」という単元をしようと思ったのは、

「本物の学び」とは何だろう?と考えるようになったからでした。

問題解決学習や、課題解決学習と呼ばれるプロジェクトで単元を進めていこうとしています。そして、いつも最後には、何らかの成果物を出してもらって、それをパフォーマンス評価をするということにこだわってしまっていました。

それが、いつもお遊びというか、ニセモノのような成果物になってしまう。以前、地理の単元で、その地域に住んだつもりでマンガや絵日記を書くという成果を求めたことがあって、確かにそれらの成果物を作りながら、子どもたちは学ぶこともあるから、意味はあるんだけれども、子どもたちが没頭する感じはなく、どちらかというと勉強のできる生徒なんかは、事前に手渡したルーブリックに沿って、最低限A評価をもらえるような物を仕上げてきたりしました。

そうなってしまう原因は、私にあって、結局、「どういう成果物だったら、最後に総括的評価しやすいかなー」って考えてしまっているから、そういう出口しか出てこない。本来、手段であるべきものが、目的になってしまっていたのです。

 

それで、いろんな方からアドバイスを受けて、「本物の学び」とは何だろう?って考えた時に、それはパフォーマンス評価のためにやる学びではなくて、特に社会科という教科は、学んだことの成果が社会に繋がっていくことが大切で、それが本物なのではないかな、と思ったのです。(サービスラーニング、とも言うようです。)

 

それで、単元の最初に配布したのは、下のプリントでした。

drive.google.com

 

この計画通りに行かないことばかりだったのだけれども、

市の政策秘書室に方に、講義に出前授業に来ていただいた時間がとてもよかったです。

政策を作る時に考えていることや、現在の市の課題などを話していただきました。また、作成している条例についての疑問点や相談事について生徒たちが職員の方を、質問責めにしている時間が、とってもよかったです。授業の後に、「中学生ってこんなに一所懸命に話を聞いてくれるし、こんなに質問をしてくれるんですね。楽しかったです。条例案が完成したら、ぜひ送ってください」という感想をいただきました。

 

この講義のあと、さらに集中して授業に取り組むようになった生徒たちがいました。

例えば、

LGBTの方が結婚できるような条例を作れないか、と取り組んでいた生徒は、日本のどこにそういう条例があるのか、どのような内容なのかをまとめ、条例案を市の職員に見てもらっていました。そして、さらに一歩進んで婚姻届の例をオリジナルで作ろうとしていました。その生徒は、婚姻届にある「夫」や「妻」という表記が気になって、どういう表記にしたらいいか悩んでいました。


そこで、英語で男女という性別が気にならない表記の仕方があるのでは無いか、と思ったらしく、英語が堪能なクラスの仲間に相談。二人の話し合いの結果、フィアンセという言葉がいいんではないか、という結論になりました。
夫ではなく、婚約者A。妻ではなく、婚約者Bという表記で婚姻届を作成。

(他にも、老人ホームと保育園、学校が繋がった施設づくりを少子高齢化対策として対案している生徒がいたり、条例づくりとは関係のだけれども、市のホームページを見やすくするための案を考えているような生徒もいた)

このように、没頭して作成している一方で、今の市での現状に不満を持っていない、課題が分からないという生徒は、いまいちどういう条例を作っていけばいいかわからず、全然進んでいかない生徒も多かったです。何とかして市の現状についての不満が書いてある市民のアンケート結果を市の広報から持ってきて、課題を考えてもらったりたけれども、その解決策としての条例はすごく薄っぺらいものになってしまった。

 

例えば、「ゴミを無くそう条例 第1条 ゴミ箱をたくさん設置する。以上」

というように・・・、。

自分の身の回りを変えていこうというサービスラーニングの形式のプロジェクト学習は、本当に困っている人に直接話を聞くとか、本当に自分が困っていることじゃ無いと、主体的に取り組むことが難しいのだと感じました。また、上記のLGBT条例について取り組んでいた生徒は、普段から時事問題について意識が高くて、休み時間になるたびに、私に時事問題について議論をする生徒で、その意識の差もあるんだろうなあ。

 

「問い」の質であったり、探究に向かうための「刺激」の質を高めるのはどうしたらいいのだろう?

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