【マルチプル・インテリジェンスの導入】

社会科・探究学習

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『学習する学校』にて、紹介されている、マルチプル・インテリジェンスを導入するためのワークを、ほぼ本のままに実践してみました。それが、上の画像のプリントです。

このワークをしたかった一番の目的は、

「それぞれに個性があるように、それぞれに適した学び方があるということ。自分はどうやって勉強したら、うまくいくのだろう?って、考えるきっかけにしてもらいたい」

ということでした。 

学習する学校――子ども・教員・親・地域で未来の学びを創造する

学習する学校――子ども・教員・親・地域で未来の学びを創造する

 

ステップ1 ※Tは教師 Sは生徒の発言です。

T「これから、体育祭や合唱祭が始まるけれども、体育祭の全員リレーで必要な力ってなんだろう?」 

S「団結力!」「脚力!」 「運動できること」

T「じゃあ、運動できる、っていう子は、このクラスだったら、誰を思い浮かべる?」

S「⚪️⚪️さん」

他にも、・社会科の勉強では?・給食の配膳では?・合唱祭では?と聞いて、

T「人はなんらかの能力をどのようにして発達させるのだろう。生まれつきそうなのか。それとも、人より多くの機会や経験があるから発達するのだろうか?」

ステップ2 9つの知能の紹介

ステップ3 4人組になって知能を持った人物を想像してみる。

(歴史上の人物、テレビ、映画、漫画など)

(1)その人の趣味は?

(2)得意教科は?

(3)大人になったら、どんな仕事につきそう?

(4)彼らにあった休みの過ごし方は?

生徒たちが考えた人物は、

「L(デスノート)」「いもと」「ドラえもん」「ジャイアン

トム・クルーズ」「クラスのある子」「板垣退助」「キムタク」でした。

S「ジャイアンは、ミュージック・スマートだな。趣味は、カラオケでしょう。」

S「Lは、セルフ・スマート。すっごく考えてるもん。休日は、日記とか一生懸命書いてそう。」

そして、ステップ4を経て

以下、子どもたちが、書いたふりかえりです。

・自分のことや人のことを考えるのは、すごい難しかった。

・もっともっと欲しい知能があったので、手に入れたいなぁ~っと笑

・人の良いところや悪いところは、見つけやすいけど、案外自分の良いところや悪いところは、見つけにくいと思った。

・自分で自分を、評価するのは少し恥ずかしかったけれど、自分にもこーゆーのあるんだーと思った。人のことも知れたし、「あ~、わかるなー。」って思うこともありました!!

・分類別にわけて、自分にあったものを考えてみると、あまり自分に合うのがなくて、もっとよくしたいところが多かった。このようなことを改めて考えたことがあまりないので、おもしろかったです。他の人もみれて。

・友達にもよく周囲を見ているねとか言われたりするので、どんな知能かなぁと思っていたら⑦のピープル・スマートに似たものがあって良かった。⑥のネイチャー・スマートはよくあてはまった。よく猫を手なずける。

・いろいろな知能があって、その知能をみんなは1つは持っているんだなぁと思った。その自分の知能を活かすことが大切だと思った。

・みんな案外、自分のことをよく考えてるんだなと思った、自分のを決めるのが難しくて、ちょっと的外れになってる気がする。周りから見て自分はどう思われているのかというのまで考え始めると、どんどん的外れになってる気がした。結局、自分の思う自分の印象を書くのが思いのほか難しいことが分かった。

・自分の良いところと他の人の良いところに気づけた。いろんな人物のやつがその人への想像がひろがってたのしかった。

個人的には、単なる「良いとこ探し」になってしまっている生徒が多かった気がしました。「良いとこ探し」をしたときと似ているような感想が多かったです。

授業の最後に

S「先生、俺、ピープル・スマートがあるっぽいんだけど、どういう勉強をしたらいんでしょうか?」

T「人と話したり、問題を出し合ったりすると、いつも勉強が進むっていっていたよね?机に向かってたくさん書くよりも、そういう風にしていけばいいんじゃないかな?」

S「あぁ、なるほど!そういうことかぁ!」

という会話がありました。

この子の発言を聞いて、ワークのあとに、

「じゃぁ、自分はどういう勉強方法が向いているのだろう?」

と考える時間をとってみてもよかったと思いました。

教師がデザインしている授業が、特定の知能に偏っていると、

子どもたちもそのように勉強する経験に偏ってしまいます。

だから、自分にあった勉強方法を見つけられにくくて、

「勉強ってつまらない!」って苦しい思いをしてしまうのかなぁって思っています。

マルチプル・インテリジェンスをどのように教室の中で

当たり前にしていくか。

これが、できたら、もっとみんなの「勉強って楽しい!」が増えていくんじゃないのかぁと思っています。

さぁ、どうしていこうか。いろいろチャレンジしてみます。

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