新年度最初の単元のスタート!「なぜ戦争が起こるのか?どうすれば戦争が防げるのか?」

社会科・探究学習

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新年度が始まって、2週間が過ぎました。正直、立場が変わったことで、怒涛の日々だったのですが、授業は丁寧にやっていきたいです。

さて、昨年度の3学期の反省は、「探究学習」を生徒に、かなり丸投げしてしまったことでした。そもそも学び方を丁寧に教えたり、練習したりすることができていないのに、「じゃあ、探究学習やってみよう!」は、無茶なわけです。無茶だと分かっていても、そこでもがいている生徒から、何かしらの成長が見えたりして、楽しい時間ではあったのですが、置いてけぼりをくらってしまった生徒もいました。生徒からの最後のアンケートでも、苦情が多かったです。

そこで、この1学期は、同じ学年で一緒に組む社会科の先生とも相談して、歴史的分野の単元を次のように構成してみました。

 この本に紹介されていた、

「国際シンポジウムで提案しよう。なぜ戦争が起こるのか?どうすれば戦争を防げるのか?」という課題を歴史的分野の最後のパフォーマンス課題として設定しました。最終的には、そこで考えたことを、新聞社に投書するということが1つのゴールです。新聞社に投稿することで、「どのような文章を書けば、相手に伝わるのか?」という、国語っぽいこともしたかったのと、投書は基本的に採用されたとしても、かなり新聞社に中身を変えられることもあるので、「マスコミは、どのように情報を変えてくるのか?」という、先々での、公民的分野でのメディア・リテラシーについての授業の材料にもなるな、という目論見があります。

そこに至るまでには、1つ1つの戦争について考える協同学習を設定し、一人ひとりが現段階での考えを書く時間を取り、上記の自立学習シートやノートに書き溜めていきます。各クラスで話し合った内容については、模造紙で記録をとっておいて保存して、いつでも使えるようにしておきます。

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この模造紙を書いたときの授業は、10分程度の講義(日本の産業革命足尾銅山鉱毒事件について)→35分程度の話し合い(日露戦争の原因は何か、どうすれば戦争を防げることができたのか)→5分個人でふりかえり、という流れでした。

そして、中学校3年生の社会科は週に4コマあるので、そのうちの1時間を「自立学習の時間」としています。まだ、1回しか自立学習の時間をしていないのですが、中学校3年生というのもあり、約7割は受験勉強をしているような様子。ただ、そうではなくて「各自の問いの探究」をしている人も3割ほどいます。これが、とても興味深いのです。

今年度は、各単元の最初に必ず「質問づくり(QFT)」をすることにしています。この生徒たちは1年生からの累計で、全員4回ほど、過去に質問づくりをしているので、中3になってもなんとか取り組めています。

先日、質問づくりをしているときに、ある生徒からこういう発言がありました。

S「先生、社会の授業と全然関係ないような質問ができちゃいました」

T「(お、これは社会の授業と全然関係ない質問ができてしまったのだけれども、いいのですか?というニュアンスに違いない。これは、そんなこと気にしなくていいんだよ、教科横断していいんだよ、と言えるきっかけになるぞ!よし、まずはどう思ったか聞いてみよう!) えーーーと、全然関係ない質問がでて困っているのかい?」

S「いや、そういうことではなくて、社会の教科書には載っていないような質問ができて、面白いなぁって思っているんです。社会の授業と関係ないこと調べても、もちろんいいんですよね?」

・・・生徒の方が、かるーく教科の壁を越えていきました。

さて、この「自立学習の時間」は、図書室を使います。

理由は単純に、「様々な分野の資料がたくさんあるから」です。

先週興味深かったのは、「中国で使用されている教科書と、日本の教科書では、どのように日清戦争の書き方が違うのだろうか?」というテーマで調べている子。

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これから、どうなっていくのか、楽しみだなぁ。この生徒の取り組みについて、自立学習の時間の最後に全体に共有しました。(先生が、その探究内容を紹介するという形ではありましたが・・・。)

昨年度の自分の実践で、圧倒的に未熟だったのが、「共有」を含む、形成的評価をどうするかという取り組み。

共有の方法については、この記事を参考にいろいろ試してみようと思います。

この記事を読んでみると、先生が探究を紹介する、というのも1つの手ではあるけれども、様々な方法があることを学べました。

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