【2月9日 西東京市立栄小学校 研究発表】

メモ

2月9日に行ってきた西東京市立栄小学校での、研究発表で気づいたことを、まとめて書きます。

(1)公開授業

・受付や案内を当たり前のように、保護者がやっていることにびっくりした。今まで勤務した中学校では、こんなにもたくさんの保護者が協力してくれるのを見たことがない。

・研究主任の先生の授業を見に行きたかったが、とてつもない混雑だった。前から、学校全体を巻き込んだ研修とはどういうものなのかに興味があったので、むしろ混んでいたことをチャンスと思い、全部の教室を回ることができた。そこで思ったことは、先生たちも、子どもたちも力が入っていない感じ。これが日常だよ、という雰囲気だった。よくある研修の管理職にやらされている感じではない。自分達で選んで、自分達で工夫して、作り上げていったやわらかい雰囲気が校内に流れていた。

・異年齢でのPAで「ワープスピード」。6年生だけだともっとうまくいくだろうに、1年生を交えているから、6年生がいろいろ悩んでいる表情が見て取れた。この日のふりかえりにどういうことを書いているのかが気になった。この異年齢PAは、やってみたい

・美術の授業では、円卓状の段ボールでワールドカフェを実施していた。テーブルに白い模造紙を広げるよりも、距離が近くて暖かい感じ。保護者も円の中に入っているけれども、司会をするわけでもなく、最初に話し始めるわけでもなく、子どもたちと対等にいる雰囲気。保護者のにこやかな表情が素敵だったなぁ。保護者も子どもと一緒に学ぶことを楽しんでいる印象。親が学ぶ姿を見せていれば、子どもも学ぶようになっていくよなぁ。

・各クラスの教室表示の下に、見どころ?のような案内が書いてあって、ゆっくりと指導案を事前に呼んでいる時間がなかった自分としては、見どころが分かってありがたかった。

(2)分科会「自己評価・振り返り」

・ワークショップ型アクティビティという新しい形式にわくわく。栄小の先生方が、今回の研究で学んできた手法などを、参加者を対象に体験してもらうというような感じだった。アクティビティ「ダウト」と、フルバリューカードを使って、「振り返り」とは、どのような段階を踏んでいるのかという体験をしてもらう。学芸大の渡辺先生の言葉で、「子供たちにやりなさいということを、まず教師がやりなさい」という言葉に納得。

(3)全体会

・教師主導の授業、活動、講義式の授業では自己肯定感は育たない。

・岩瀬先生の講演。研究主任の先生のクラスが大混雑だったので、様々な教室を見ているときに、岩瀬先生とみている授業が何回がかぶっていた。せっかくだから、どのような視点で見ているのかと、岩瀬先生を観察。写真や動画をとっている様子。いったい何に使うのかな、と思っていたら、この講演のときに使用していた!「きっと、みんなたくさんの授業をみられていないと思います。素敵なことがたくさんありましたよ」って、提示した動画や写真たちをスライドでシェア。それを見ている栄小学校の先生たちの幸せそうな表情。すべての授業を見て回ることができなかった先生方もありがたかったし、何よりも、栄小学校の先生たちをエンパワメントしている、素敵なフィードバックだと思った。いいなぁ。

・20年前の日本はどうだったかというスライドでの発表。これは、社会科の授業でも、使うために、作成しよう(windows95、インターネット、携帯、ポケベル、マイケル・A・オズボーン、キャシー・デビットソン)

・学力=自分で学び続ける力。大人自身がどういうときにアクティブに学んでいるかを知ることが大事。

・途中で、栄小の先生のインタビューが流れた。この取組は斬新。そして、ここでうるっと涙が流れた。子どもの成長ことをイキイキと語るだけでも素敵な先生たちだなぁと思うのに、自分の成長のことも嬉しそうに語っていたから、より一層素敵だった。「指導法ではなく、子どものこともよーく考えた」「子どもすごく意欲的になった」「授業の実践を、子どもにどうだろうと聞くようになった」「自分に知らないことが多すぎるから学びたい」など。校内研修で、こんなにも先生方をエンパワーして、幸せな表情になっていくのだなぁ。先生方の幸せそうな表情と、子どもの成長を幸せ思っている様子。その幸せのおすそわけに、涙がでた。

・斉藤孝先生の「あこがれにあこがれる」という言葉。栄小学校は、子どもが大人にあこがれるということが、転換してきつつある。子どもにも大人があこがれる?それがアクティブラーニング。

・教師自身が学び続ける。教師のありかた=職員室のありかた=教室のありかた

研究内容をどうするかではなく、研究の形態をしっかりと考えて、「学習する職員室」になること。それが、子どもたちの学びへとつながっていく。目標の共有、チームのネットワークづくり、プロセスの設計がポイント(妹尾2015)。そういうことを意識して、子どもも教師も成長することを楽しむ学校を作っていきたい。

・最後に、岩瀬学級の6年生の女の子のスピーチがしびれた。行事ではなく、当たり前の毎日が素敵な学校に。いとおしそうに、毎日の積み重ねをふりかえっていて、前を向いて、中学校に向かっていこうとするその子の凛とした姿でも、涙。そうだよなぁ、当たり前の毎日を大切にすることが一番の子どもたちの成長につながっていく。もっともっと当たり前の日常を大切にしていきたい。

・この栄小では、圧倒的なコミュニケーションの量を職員室で確保することで、丁寧にチーム作りをしていったのだなぁと思った。「研究というのは、前例どおりやらなくていいこと。それを職員全員と共有することができること。それが楽しい」。ここにもアドベンチャーを大切にする研修主任の甲斐崎先生の精神があって、そこを震源地のように、他の先生方に広がっていった。一度、こういう職員室を体験したり、こういう冒険を体験した先生方は、きっとこれからも幸せな職員室を作っていたり、新しいチャレンジをするために、学び続けていくようになるのだと思う。大げさかもしれないけれども、研修というアドベンチャーで、先生たちの人生も大きくプラスの方向に変えているのだと感じた。今回、このような会に参加できたことが、また一つ教師人生の大きな成長につながると確信しました。まずは、自分ができることを丁寧に1つ1つ積み重ねていきます。ありがとうございました。

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