7年ぶりの教育実習の記録

じぶんに気づく

目次

1 なぜ今回教育実習生を7年ぶりに担当しようと思ったか

結論からいうと、「新しいチャレンジをしたい。そして、そこから自分も学びたい」ということだったと思う。

今年の9月に教育実習生を担当したのは、7年ぶりの3回目。

今までの2回の教育実習は、両方ともあまりいい思い出が無くて、教育実習生を担当することを避けていて、気づいたら7年間が経過してしまっていた。1回目の教育実習では、とにかくその学生ができていないことを指摘し続けて、相当落ち込ませてしまって終わってしまった。2回目の教育実習生のときは、1回目の反動からか、本人のやりたいようにやらせて、特にアドバイスもしていなかったような気がする。あまりできていないことを指摘し続けて、嫌になられても嫌だなぁと、一歩引いたような感じ。だから指導教官として、達成感が全く感じられず、実習生が担当をした授業の遅れを取り戻すのが大変だったなぁ、という気持ちが強かった。今まで担当した実習生たちは何も悪くないのだけれども、僕自身が徒労感を感じてしまっていたのだ。そうして避け続けていたら、7年間が経過していたというわけだ。

では、なぜ担当しようと思ったか。同じ学校に自分を入れて5人社会科教師がいるし、僕も3学年主任という立場から、多忙を理由に担当することからも逃げられたはず。「中学3年生の2学期という受験にとっても大事な時期に、よく実習生に授業を任せようと思いましたね」という言葉も同僚からいただいたこともあった。

教師として中堅という立場になってきて、学年経営や学級経営、教科指導、部活指導では、いろいろなことに悩みながらチャレンジしてきていて、自分自身ジワジワ成長できている気がする。(まだまだ悩みは尽きないけれど)でも、実習生指導ということについては、全くチャレンジできていなかった。というか避けている自分に気づいて、果たしてそのままでいいのかな、という気持ちが大きかった。今後、年齢的にも、若手の先生と一緒に仕事していく中で、若手の先生を育てていったり、その中で僕も成長していったりすることが必要な力になってくると思う。じゃぁ、せっかくのチャンスなので、自分の成長させるためにも、担当してみようと思ったのでした。

2 教えるー教えられるの関係性をどう飛び越えていくか

僕には悩みがある。それは、子どもに対しては「良いところをみて、そこを伸ばす」というアプローチが得意なのに、大人に対しては「欠点をみて、そこを指摘する」というアプローチを、ついついとってしまいがちなところ。昔に比べて、そういう性格が表面に出てくるところは少なくなった気もするのだけれども、いや・・・にじみでているかも・・・。だからこそ、実習生の欠点ばかりを指摘するような実習にはしたくなった。かといって、良いところみて、そこばかりを指摘するのにも何か違和感がある。欠点を指摘することも、良いところを指摘するのも、つまるところ、「教えるー教えられるの関係性」から見たら一緒のものじゃん、って思ったのです。僕が上で、実習生が下。僕が実習が始まる前に、実習生に対しての願いあは、「経験から学ぶ」ということを身につけてほしいということ。教師になってから、自分から学んでいける先生になってほしいという願いだ。僕のこの願いは、生徒に対して願っていることと同じでもある。中学校を卒業してからも、自分で学んでいける人になってほしいという願いで、日々の授業を考えている。だから、このやり方だったら、同じようなアプローチで実習生を育てることができそうだと思った。今までの失敗を繰り返さないだろうと思った。 その際に理論的なものとして参考にした1つは、下記の『「経験学習」入門』だった。

「経験学習」入門

「経験学習」入門

改めてやはり「リフレクション(ふりかえり)」が、将来も学び続けていく教師になるためには大切だなぁと思ったのです。自分との対話やリフレクションを通じて、様々なことに気づける素敵な本、『せんせいのつくり方』を1冊、初日に教育実習生にプレゼントして、毎日少しずつ読み合って、話し合う時間を1時間ほど設けることにしたのでした。

せんせいのつくり方 “これでいいのかな

せんせいのつくり方 “これでいいのかな”と考えはじめた“わたし”へ

この本を一緒に読み合う中で、少しでも「教えるー教えられる」の関係性を飛び越えることができれば、過去自分が失敗した実習指導も飛び越えられるのではないか、という期待感もあった。僕は、もう3回ほど『せんせいのつくり方』は読んだはずだけれども、実習生と同じペースでもう1度読み直し、ワークも1つ1つ、1からやり直した。こうして、空き時間や放課後に授業のふりかえりをして、『せんせいのつくり方』について話すという実習スタイルを2人で作り上げていった。僕も早く家に帰らなければならないので、授業のふりかえり30分、本30分というのが基本的な時間だった。授業のふりかえりだけでなく、本についても話すことで、お互いの人物がよくわかり、一緒にいろんなことを話すきっかけになった。

3 エピソードをもとに話を進めること

f:id:horsefield98:20180930105659j:plain

以下は、実習期間中の僕のふりかえりの一部分です。

9月5日

教育実習生と、「せんせいのつくり方」を第1章を読みながら、いろいろ話をした。
最初は今日一日のできごとについていろいろ話して、今後の授業についての相談を聞いて、その後に、昨日までに読んできてもらった14ページまでについて話をした。

僕「ワークとかやってた?」
実習生「はい、かなり真剣にやってきました。それだけにちょっと恥ずかしいんですけど・・・」
僕「大丈夫!じゃぁ、最初のワークいくよー。過去にどんなニックネームで呼ばれていたの?」

という感じでスタート。

1ページ1ページめくりながら、お互いが気になった文章について、
なぜ、そこが気になったのか?ということについてのフリートークを進めて行く。(お互いにとって個人的な内容なので中略)
僕「じゃあ、明日までに10ページ分読んできてね」ということで解散。
今日1回目をやってみて感じたことは、この本を二人の間に挟んで、自分が体験したエピソードや考え方をいろいろ話すことができることだ。この本をなしに、ただお互いに話をしているだけではたどり着かないような、話に深く進んでいくことのできるような可能性を感じた。とても不思議な感覚。

ただ、どうしても自分が話したがってしまう。
実習生くんの2倍は僕が話してしまった。
教える−教えられるの関係ではなく、ともにこの4週間を学んでいく期間にしていきたい。
どうしても説教臭くなってしまうなぁ。もっと聞くことを大切にしなきゃなぁ。
言うは易く行うは難し。

ここにも書いてあるけれども、『せんせいのつくり方』の良いところは、ワークももちろんなんだけれども、エピソードが語られているということ。そのエピソードをきっけかに、いろいろ思い出して、「うんうん、そういうことあるよね〜」「僕はそういうことは無かったです。だって、僕の子どものころは・・・」と、お互いにとって、自分のことが語りやすくなるなっていました。僕も話しやすくなってしまって、いろいろ話してしまって、実習生の2倍話したことを、この日のふりかえりでは反省しています。ただ、このふりかえりを読んでくれている仲間からは、「指導教官がそうやって自己開示をしてくれたから、このあと実習生も話しやすくなったのでは?」というポジティブなフィードバックももらえました。

実習生が、よく話をしてくれたのは、実習生がいま働いているアルバイト先のエピソードと、『せんせいのつくり方』に書かれているエピソードを関連づけたときだった。だから、たびたびアルバイト先のエピソードを聞きながら、学校現場の話と絡めていくようにしていった。ワークを進めて行く上でも、学校現場の経験からじゃないと語れないように思ってしまうワークも、アルバイトの経験からワークを書いてもらったこともあった。

こうしてお互いに小学校のこと、中学校のこと、高校のこと、大学のこと、働き初めてのこと、アルバイトのこと、家族のこと、など様々なエピソードをもとにたくさん対話を、この4週間で行った。中には、「どうして教師を目指しているのか」という堅苦しいけど大事な話もした。それ以上に、実習生のいろいろなエピソードを聞いたので、その後、授業づくりや授業の反省について話すときに、そのことが活きた。例えば、こんなかんじ。

僕「明日の授業はどうしたいの?」

実「全然思いつかないんですよねえ・・・。すごくつまらなそうな単元ですよね」

僕「小学校のころにあなたが出会った先生の話があったけれどもさ、やっぱりその先生のように先生自身が楽しそうに学んでいるっていうこと、大切にする授業にしていきたいよね」

実「そうですよねー。どうすれば楽しくできますかねえ」

僕「うん。それを一緒に考えよう」

もう何年も一緒に職場で過ごしている同僚の先生たちよりも、お互いのことを話したかもしれない。4週間しか一緒にいない存在だから、いろいろな自分の本音や考えていることを、全部話してもいいや、という気持ちが僕にあったことも間違いにない。同僚に対しては、自分の考えや本音を話したら、もしかしたらこれから仕事でぶつかることがあるかもしれない、これからの仕事でやりにくくなるかもしれない、と恐れているような自分にも気づいた。本当は、ぶつかることを承知で同僚ともっと話していかなければならないのに。この教育実習でできた「エピソードをもとにたくさん話すこと」というのは、これからの同僚とも意識的にたくさんしていこうと思う。むしろ、教育実習生と関わったこの4週間の対話こそ、同僚ともっとしなければならないことなんだよね。

4 授業の検討は、対話型模擬授業検討会の方式で。

実習の2週間目からは全ての授業を担当してもらうことにした。

1週間目で、たくさんの話をしてきたけれども、僕が実習生について不満に思っていることもあった。それは、僕がときおり話すノウハウについて徹底的にメモをしているということだ。メモを熱心にしているということは、それ自体が素敵なことだし、素晴らしんだけれども、この実習期間にノウハウを学ぶことより、これから先生になっていくための根っこになるような力を身につけてほしいと思っていたからだ。だから、お互いのエピソードを話しながら気づいたことをもっとメモしてほしいなぁって思っていた。「やり方」ではなくて、「あり方」について気づいたことをメモしてほしいとと思っていた。2週間目のはじめの僕のふりかえりの一部分は、以下の通り。

2018/09/10 のふりかえり

教育実習2週目スタート。

今日のふりかえりのスタートで、この教育実習の期間は、どんなことを学びたいと思ってきたの?という質問をしてみた。

実「授業の作り方を知りたいと思ってきました。大学での授業は、グループワークが多くて、グループで授業を作って、それを誰かが発表するっていうやり方で、その発表時間も25分だけなんです。一人で50分をどうやって組み立てるかということをじっくり考えたり、50分間の流れを作るということをしたことがないから知りたかったのです」

という話が出た。

『せんせいのつくり方』は、今日で40ページほど読み進めてきた。この本についての話も、それなりに弾んでいる気もするが、圧倒的に授業の方法についてのコメントや新しい知識についてのメモを、自分のノートにとっている量が圧倒的に多かったので、どこに目的意識があるのかな、と思って冒頭の質問をしてみたわけだ。

僕個人としては、「先生としての根っこ」のようなものを教育実習では身につけてほしいなぁという思いがあるので、そういうノウハウについては、結構どうでもいいなぁって思ってしまう。もっともっと、本を通じて語る時間をとっていきたい。でも、本人が求めているので、ノウハウは伝えていく。

大学の先生には、
「とにかく学習指導要領に従って、淡々と授業をしていけばいいんだ。教科書をつかっていけばいい。話し合い活動とか、ゲームとかそういうのは必要ないんだ」とずっと言われてきたそうなので、立ち歩いたり自由で、ゲームをしたり、PAがあったりとものすごく過刺激な1週間だったんだろうなぁって思う。

この1週間で何に一番驚いた??って聞いたら、
「先生方の多くが、パソコンで動画や画像を提示していたことです。自分は、授業でICTを使うことは全く考えていなかったので・・・。」

おお、そこなのか・・・。と思ってしまった。

自分の「want」と相手の「want」がずれてしまっているので、どうしたもんかな、と思っているけど、これって結局、生徒と先生の関係と一緒では?

教えるべきことは教えて、将来的に一人の先生として探究的に学ぶためには、どうすればいいか、問いをもって、向き合うことが大切なのかな、って思った。

生徒と向き合うことと、実習生と向き合うことは同じ。
実習生の探究をサポートしてこう。

このふりかえりを読んでくれている仲間から、「実習生に何を教えようか?」という視点ではなく、「実習生でしか見えてないものの中で、何を体験しているかについて、振り返る」という視点でやってみてはどうだろう?というアドバイスをしてもらった。知らず知らずのうちに、自分がこの教育実習でしたい「経験から学ぶ」ということから、ずれていってしまいそうだったことを気づかせてもらった。

ということで、授業の検討でも、「経験から学ぶ」ということを重視して、対話型模擬授業検討会の方法を用いて、学習者として感じたことや、授業者として感じたことリフレクションすることで、進めていった。詳しくは、下記の論文を参考にしている。

ci.nii.ac.jp

f:id:horsefield98:20180930145601j:plain

学年会議のために購入した大きなホワイトボードシートが、この授業検討会でも大活躍した。授業を見ているときには、自分の手帳に学習者としての「do」「feel「think」「want」についてひたすら書き込んでいった。

f:id:horsefield98:20180930150225j:plain

例えば、9月11日の検討会の一場面を僕のふりかえりから紹介すると、

僕「実習生の先生は、今日の授業は、とても良く話し合ったなぁ、やっぱり班の形にしてよかった。発表者を決めてよかった。って感じたということだけど、学習者としての僕は、この時間は一体何を話せばいいんだろう?って混乱する時間が長く感じたよ。発問の意図がよく分からなかったんだけど・・・」(feel)

実「ああ、そこですよね・・・。実はRくんからも授業のあと言われたんです。先生は、あの質問で何を話し合ってもらいたかったんですか?って。確かに、「具体的に何をしたらいいですか?」という発問はわかりにくいですよね・・・。」(feel)

僕「じゃあ、どんな発問だったら、先生の意図が伝わったんだろうね?」(do)

実「持続可能な文化をつくるためには、具体的に何をしたらいいですか?」っていう感じだと思います。(do)

僕「よし。じゃぁ、次、それを意識してみようか〜。活発に話し合っているようにみえて、ただ雑談に花が咲いているだけだったり、問いが分からなくて困っていたりと、こういうこともあるから、気をつけてみていこうね〜」

ということで、「せんせいのつくり方」28ページ〜37ページまで。ここまで1時間半ほど。

慣れないうちは、この検討会の進め方が難しく感じた。というのも、「今日の授業で何かうまくいったことある?やり直したいことある?」というような問いで最初はやっていたから。そうではなくて、「あの場面で、こういう発問していたけど、あれはどういうことを目的にしていたんだろう?(do,want)」と、do,feel,think,wantを行ったり来たりすることで、話し合いが自然と深まるような感じだった。コルトハーヘンのワークショップに参加したときに、このあたりは大事なことだとおっしゃっていたような記憶がある。3週間徹底的にやってみて、ようやくそのことに少しだけ気づけた。愚直に、ひたすらに、学習者・授業者としてのdo,feel,think,wantを言葉にして、ホワイトボードに書きつづけてつかみとった感覚だった。

5 最終日に二人で話したこと

雨続きで体育祭の日程が変更になったこともあったりして、実習でしたいことのプランが少しずれていった。空き時間が3コマ連続になる日があったので、そこで『Most Likely to Succeed』 の映画をみようと思ったんだけれども、その時間を作れずに連休中に観てきてもらうことにした。そして、『せんせいのつくり方』も読み終わったので、『教員のためのリフレクション・ワークブック』にも取り組もうと思っていたんだけれども、1つのワークしかできなかった。

教員のためのリフレクション・ワークブック―往還する理論と実践

教員のためのリフレクション・ワークブック―往還する理論と実践

  • 作者: 武田信子,金井香里,横須賀聡子
  • 出版社/メーカー: 学事出版
  • 発売日: 2016/04/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

とりあえず、最終日に二人で話したことは、以下のような感じだった。

個人的な話もあるので、ブログに書く上では詳細は省きます。

①せんせいのつくり方を通して

僕「この4週間の実習を通して何を学べた?」

実「時間内に授業を終わらせることや、話し合いを進めるということのやり方を学べました。」

僕「本の最後のほうに、やり方とあり方という話があったと思うけれども、あり方という面では、どういうことを学べたんだろう?」

実「実習生でも先生として見られているんだなぁ、とか、先生の子どもたちへの影響力ってあるんだなぁということですね。隠れたカリキュラムということをすごく意識していたような気がします。」

Most Likely to Succeed を通して

僕「この映画を観てどう思いました?」

実「子どもたちも先生たちも学んでいるのが楽しそうでしたね。でも、保護者の気持ちも分かるなあって思いました。」

僕「大人は嘘をついている、という場面で出てきた最初の女の子がとても印象的だったって、言っていたけど、あの様子は、もしかしたら普段の大学の授業を受けている、実習生さんに似ているのかもね」

実「笑。確かに・・・」

僕「この4週間という実習の経験を経て、もしかしたら、これからの大学の授業に対する取り組み方が変わるかもね。まだ3年生で先も長いし。僕も大学院に行っていたときに、現場を離れて来ている現役の先生と一緒に学んだことあるけれども、すごい学習意欲だったよ。僕も、いまから大学生になれるなら、たくさんやりたいことがあるよ(笑)」

実「そういうものなのですね。今まではつまらないなー、単位取れればいいなぁー、って思っていた大学の授業も、見え方が違ってくるかもしれないですね。がんばります笑」

③リフレクション・ワークブックを通して

p.44「自分自身の能力、長所と短所についてよくわきまえて行動している」のページを取り扱いました。これから先に教師として成長していくためには、自分の長所に目を向けてもらいたいなぁと思ったからです。実習生は、とても真面目な青年で、自分が失敗したことばかりをふりかえってしまいがちで、最終日の最後の授業も失敗したことをたくさん話していました。僕自身も、ストレングスファインダーをやって自分の長所を自覚するようになって、自分の長所に助けられたことも多かったので。この4週間を通して、自分の長所に気づいて、この先成長していってほしいな、という気持ちを込めて

f:id:horsefield98:20180930171956j:plain

リフレクション・ワークブックには、こういう矢印があって、一番左を0%。一番右を100%として、それぞれの項目についてどう思うかを考えることができます。

今回は、時間の都合上もあって、「自分自身の能力、長所と短所についてよくわきまえて行動している」についてだけ実習生と話をしました。

僕「この矢印に指をさしてもらいたいんだけど、どのあたりだと思う?」

実習生は、一番右を指した。つまり100%よくわきまえて行動しているということだ。どうして、そこを指したか聞いてみた。

実「僕は、遅刻したり無計画だったり、そういう短所があるんです。だから、そこを出さにように、朝早く来ることに気をつけたり、計画的に頑張ろうということをこの4週間意識していたからです。」

僕「そっかあ。だから、毎日7時ころには学校に来ていたんだねー。ところで、この4週間で気づいた自分の長所って何かありそう?」

実「継続すること。子どもたちと積極的に関われること。計画的に授業を組み立てていくことです。自分には、こういうこともできるんだなぁ、って気づいた4週間でした。」

僕「うんうん、自分にとってピンチが訪れたときに、こういう長所を活かして乗り越えていってね。こういうことに気づけたことでも、素敵な実習だったと思うよ。4週間どうもありがとうね」

実「こちらこそ、ありがとうございました。」

6 おわりに

どこまで教育実習生の成長のために貢献できたのかは分かるのは、もう少し先になるだろう。ただ、中学校教師になると固く決めているようだったので、いつかまたどこかで会えるかもしれない。この実習での学びを、これからの教員生活で、どう活かしていくことができたのかも聞いてみたいなぁ。うちのクラスの子どもたちに対しても、すごくいい存在だったと思う。後半の授業では、子どもたちに小さな紙を渡して、授業のフィードバックをもらっていた。同じ授業を3回やるのだけれども、必ず1回1回、進化させていっていた。途中からクラスで取り組んでいるふりかえりジャーナルにも目を通してくれていた。生徒から謙虚に学ぶ姿勢とか、どんどん授業もチャレンジして深めていく様子も見ていて嬉しかったなぁ。とにかく徹底的に「経験から学ぶ」ということについて、2人で考えた4週間だった。この1ヶ月のふりかえりは、また何度も読み返していきたい。

タイトルとURLをコピーしました