ふりかえりと、次への挑戦

特別支援
まだまだ「未完」の道をすすみ続けるのです。

「1年目は、必ずいろいろな記録を取っておいた方がいいよ。そこで感じたことや考えたことは、後々に振りふりかえるときに、とても役立つよ」と、17年前、僕が1回目の初任者だったときの先輩に言われたことを、今更ながら思い出した。

2回目の初任者の1年が終わった。初任者研修を受講したり、研究授業をしたりもしながら、初めての特別支援学級で学ぶことや考えることが多かった。いろんな方々から「特別支援学級を経験すると、教育の幅が広がるよ」と、言われてきた。僕自身では気づいていない成長がこの1年には、あったんだろう。丁寧に記録を取りたい1年だったが、2学期途中から、中2の社会科地理を全クラス教えることになり、あたふたしていたら3月になっていた・・・。(スマホをあまり見ないようにするために、画面をモノクロにする設定にしたら、見事にSNSを開く時間も減っていった。ほどほどにSNSを復活していきたい気持ちもある)今年度、考えたことの中で、印象的だったことを2つ記録しておきたい。

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就労準備性ピラミッドってなんだ? 「問い方のマジック」

僕が勤めている地域の特別支援学級は、学校選択制を採用している。保護者がいろいろな学校を見学した上で、教育委員会と相談して、行きたい学校を選択することができる。所属している教員が中心になり「どんな特徴のある特別支援学級か」を保護者に説明をして、選んでもらっている。うちの学級は、「就労に向けての準備を充実する」という特徴で、伝統的にやってきているようだ。だから、そんな地域の特性や学級の特徴もあるのだろうけど、生徒たちに「進路」や「未来」のことを考えてもらったり、その準備をしたりする時期が早くてびっくりした。入学して4月にはそういう話を生徒にしていた。「さすがに、まだ早すぎじゃない?」ということを、同僚に尋ねると「進路選択や、就労に向けての準備は時間がかかるからね」というやりとりが、何度もあった。

そして、しばらく過ごしていくうちに、「就労が大事なのか、いま幸せであることが大事なのか」という問い方のマジックに僕は陥り、モヤモヤする時期を過ごした。特別支援学校高等部の先生の研修や初任者研修でも「就労準備性ピラミッド」の重要性を何回か伝えられモヤモヤモードになった。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページより (2024.3.31取得)

このことについては、苫野一徳さんの、<自由>と<自由の相互承認>という公教育の原理をもとに自分の中でも整理して、なんとかモヤモヤモードからは、抜け出したような気がする。特にこのピラミッドの土台の部分については、学校と家庭が連携して、その練習をくりかえし続けている。

学校だからできることって、なんだ?

国語で取り組んだ作家の時間。第1集は「詩」。第2集は「物語」。

学級でどのような時間を過ごせることが、子供達にとっていいのだろうか?ということをよく考えた。家庭環境も様々で、家でスマホゲームや、Youtubeを見て過ごし続け、余暇の充実が心配になるような生徒も少なくない。コミュニケーション全般について、困っている生徒も多い。

だから、仲間がいることの大事さ、学校だからできる楽しいことってなんだろうを考え続けた。国語時間に続けた作家の時間やミニプロジェクト形式で買い物学習した数学の時間、4月に立ち上げたレクリエーション部で放課後30分だけ遊ぶというのは、よかった。(スティッキー、マンカラ、ブロックス、しゃべりかが、ヒット!)

スティッキー

Bitly

マンカラ

Bitly

ブロックス

Bitly

シャベリカ

Just a moment...

あとは、「授業が、楽しい!」「できる!」は今まで以上に意識した。楽しくないと、本当にやらない。つきあいで、授業に参加してくれない。できないと泣いてしまってしまう子もいて、授業で傷ついた経験が根深そうだな、と感じることもある。ちょうどいい課題の設定に苦労した。どうすれば、仲間と楽しくできるのかな?どうすれば苦手を支えることができて、できた!って感じられるかな?を考えることは、次年度もずっと考えていきたい。

次年度にやりたいこと

と、まぁ、ここまでだらだらと書いてきたけれども、特別支援学級を担当しようが通常学級(この言い方あまり好きではない)を担当しようが、共通して考えることは多い。2学期から通常学級の中2の社会科の授業したときに「学校」や「授業」というものに、苦しんでいる生徒が、よく見えてしまった。たった、少しの期間の授業だったから、あまり何もできなかったなぁと思いもしたけど、学年の若手の先生から「先生の授業のあとにクラスに入ると暖かい空気が流れていて、いいなぁって思いましたよ」とフィードバックをもらえたことは、嬉しかったな。

特別支援の視点をもって、通常学級でおもいっきり社会科の授業をしたいけれども、それは、まだ何年か先の話になりそうだ。

来年度は、

・やっと担当できる特別支援学級での「社会科」を生徒と一緒に楽しむこと。

・いろいろな授業にTTで参加できることを活かして、生徒たちがどんな時間を学校で経験しているのかを、もっと一緒に経験して、いろんな先生と授業をつくっていくこと

が、挑戦の軸になりそう。

2年次研修もあるけど、初夏に行う軽井沢への移動教室担当にもなったので、それも楽しみにしつ、がんばっていきたい。

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